ベゴニアの育て方
球根ベゴニアの夏越し

球根ベゴニアに適した環境

球根ベゴニア大輪系球根ベゴニアや、ファイアクラッカーなどの親である球根ベゴニアの原種の自生地は、アンデスの1500m以上の高地の環境です。アンデスの遺跡に行くと、必ずと言っていいほどお目にかかれるようです。地面に生えていると言うより、岩場にへばりついて生きているようです。そのような植物を日本で育てると言うことは、はっきり言って難しい・・・・

全国のベゴニアガーデンでも、高冷地にでもない限り、夏場は他の植物を入れるか、冷房を桁外れに効かせて栽培するしか方法がないと言ってもいいでしょう。高冷地であっても、良い花を咲かせるために冷房を入れているところもあります。ただ、とにかく夏さえ乗り切れば、次の秋にはまた花芽が上がってくるので、そこまで持ちこたえさせるためにはどうするかが大問題です。まずは球根ベゴニアをきれいに咲かせるための、基本的な目標とする環境は...
  • 気温:昼25℃  夜16℃
  • 湿度:40〜80%
  • 日照:2万〜5万ルクス
この環境に当てはまるのは、日本では4月から6月くらいの間でしょうか?当然夏はこの範囲を大きく外れてしまいます。そこで、この環境を目標に人工的に環境を作る必要があるのですが、はっきり言ってそれは無茶ってものです。温室の中は昼間は30度を楽に越えてしまうし、夜だって熱帯夜となれば25度を超えてしまう。昼間25度に下げるのはクーラーの効いた室内に入れればよいのですが、そうすると日照がたりない。人工的に電照するとしても、かなり徒長するのは覚悟しなければなりませんし、当然花もあがってこなくなります。夜温を下げるのは、現在一般に販売されているクーラーには、その能力はありません。それでも20℃まで何とか下がれば・・・と言うところですが、寝るときに切ってしまったら元もこもありません。それに1日中クーラーをつけておくのも不経済。さてさて困った・・・・。

球根ベゴニアが駄目になってしまう条件

日本の夏は、基本的に球根ベゴニアにとっては苛酷な環境なんです。では逆に球根ベゴニアが駄目になってしまう条件とは、気温が夜25℃以上、昼35℃以上が続く期間中で...
  1. 水やりのやりすぎで、根腐れしてしまったとき。
  2. 肥料が多すぎて根が痛んだとき。
  3. 鉢がプラスチック、もしくは釉薬の掛かった焼き物の鉢で、鉢の中に指を入れると暖かくなっていて、根が煮えてしまった場合。
  4. その上、ホコリダニやウドンコ病などの病害虫が出てしまったとき。
こうならないようにするためには、創意工夫が必要です。次に挙げた基本的な対策を元に、個々に自分の栽培にあった方法を見つけてください。

球根ベゴニアの夏越し対策

対策その1:鉢植えはとにかく涼しいところに置く
家の北側の風通しの良いところなどで、できれば下がコンクリートではなく土が良い。地面に直に置かないこと。直射日光の当たるところは極力避けること。どうしても当たってしまうとしても、鉢には当たらないように工夫して!この際日陰でも仕方ないとあきらめること。

対策その2:鉢は素焼き!
壊れ安いのが難点だけど、洋蘭などに使われる素焼きの物が鉢内の温度を低くできるのでgood!2重鉢にしても可。とにかく根腐れさせないためにも、鉢の内部の温度を上げないことが重要。

対策その3:肥料はやらない
液肥は平地では梅雨明けしたらやらないのが基本。高冷地(標高800m以上)ならば普通に週一の割合でやっていいんだけど、平地でそれをやると根が腐るのでやらない方が無難。球根ベゴニアは肥料くいだから本当はやりたいんだけどね。次にやるのは秋の彼岸過ぎから。夜温が20度をきるまではとりあえず我慢。

対策その4:水やり!夕方には絶対やらないこと!
これがとっても大事!基本の水やりは朝やること!鉢が乾いて軽くなったら、鉢底からザーザー流れるくらいやる。それもできれば10分くらい間をおいて2回やる。 そして、夕方は下の地面に水をやって(打ち水)、周囲の温度を下げる。ベゴニアには夕方は水はやらない。周りの植物にやるついでに一緒にやっていると、根腐れの原因になる。

対策その5:防除!
夏バテしているベゴニアは病気や害虫にやられやすくなっているので、きちんと薬剤散布して防除する。ただし、夏場の薬撒は、薬害が出やすいので、曇りの日の早朝や夕方の気温の低いときにすること。

対策その6:用土
梅雨のうちに今までの土からウチョウ蘭の土、もしくはサボテンの土、山野草の土などの水の抜けやすい、荒い物に変える。堆肥などは入れない。梅雨が明けちゃったら遅い!急げ!

対策その7:番外編(畑とか、花壇の有る人向け対策)
実は、鉢をやめて地植えにしちゃうと結構持つんです。ただこの場合、センチュウ類の餌食になってしまう場合が多いので、きちんとセンチュウ用の薬剤で防除する必要があります。また10時から2時
ごろまでの直射日光も葉焼けの原因になるので、その間、遮光出来るとなお良いです。とりあえずは日陰でも大丈夫。とにかく夏越し最優先ということなら、この方法は結構安全。鉢から抜かずに、鉢ごと埋めちゃうのも手です。この場合も、病害虫の防除はしっかりやっておくこと。

さて、参考になりましたか?球根ベゴニアは夏越しが勝負!梅雨が明ける前に対策しておきましょう。それでは秋までがんばってくださいね。

協力:山口裕美子さん

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