
水やりは用土が乾いてから
水やりの基本は用土が乾いてからです。ベゴニアを枯らしてしまう原因で一番多いのが水やりの失敗です。ベゴニアは空中湿度は好みますが、用土の過湿は嫌います。普通の植物と同じ感覚で毎日水やりしてしまうと、土が常に湿った状態になってしまい根が呼吸できなくなって根腐れを起こします。環境によって変わりますが、だいたい3〜7日ごとに、用土が乾いたのを確認してから水やりするようにしましょう。
与えるときはたっぷりと
用土の過湿を嫌うからといっても、水を与える時はたっぷりと与えるようにします。どのくらいかと言うと、水が鉢の底からザーザー流れてくる位たっぷりとです。鉢底からザーザー流れるくらい水やりするのには2つの理由があります。1つ目はチョロチョロと水やりしてしまうと、土の表面は湿っていても土の中は実は乾いていたという事があるのです。「ちゃんと土が乾いてから水やりしてるのに枯れてしまった」という人はこれが原因かもしれません。土の中の湿り具合はアイスの棒や竹串を挿すとわかりやすいです。
2つ目の理由は、鉢の中に溜まった不要物やガスを抜くためです。植物は成長の過程で根から不要になったものを排出し、それにより鉢の中にガスが溜まります。これが残ったままになっていると植物に悪影響をおよぼします。水を鉢底から流れるほど水やりする事によって、不要物やガスを水と一緒に流して鉢の中に新しい空気が入るようになります。不要な時はじっと我慢して、与える時はたっぷりと...というメリハリが大事です。
室内での水やりの工夫
室内の場合は、鉢底からザーザー流れるほど水やりするのは難しいですが、上記の理由から躊躇していたのでは枯らしてしまう原因になります。水が流れても良い場所に移動して水やりするか、移動が面倒な人はバケツの上に硬い金網を乗せて、その上に鉢を置いてたっぷりと水やりすると良いでしょう。また、乾燥しやすい部屋の場合は空中湿度を保つために霧吹きで葉水をしてあげると良いでしょう。
用土の乾燥に強い根茎性ベゴニア
根茎を持つタイプのベゴニアは木立性より用土の乾燥には強く、過湿には非常に弱いですから、鉢が軽くなってくるまでは、我慢しましょう。葉を鑑賞するものですから、あまり極端に葉を萎れさせるとふちが痛みますから、土の状態を常に観察するようにしましょう。水を与えるのは朝一番で、が基本です。肥料は秋まで我慢です。
用土の過湿はなぜいけないのか?
過湿と言うのはどういう状態かというと、土の粒の隙間が、水でぴっちりふさがってしまっている状態で、土の中の酸素が少なくなってしまっていることで、それが問題となります。つまり...
酸素が少ない→温度が高い→酸素が好きな微生物が活発に動く→酸素を使う→植物も使う→酸素が足りなくなる→酸素が嫌いな悪い微生物が増える→根が痛む |
と、いうことが土の中で起こっているわけで、微生物の活動によってさらに熱も発生するために、余計植物の根が痛んで、その痛んだところに根ぐされを起こす菌が入ってひどいダメージをこうむってしまうのです。特に根茎性のベゴニア類は、根茎の中に水を溜め込んでいるので、用土の乾燥には比較的強いのですが、反面用土の過湿には根が非常に弱いのです。
協力:山口裕美子さん |